委託事業

経済産業省委託事業

1. 概要
(1)事業目的

 冷凍空調機器の冷媒等として使用されるフロン類は地球温暖化係数が高く、 特にHFC等の代替フロン類は気候変動枠組条約に基づき削減が求められて おり、大気中への放出を抑制する必要がある。
 今般、平成25年通常国会において「特定製品に係るフロン類の回収及び破 壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(以下、「フロン排出抑制 法」という。)が提出され、全会一致をもって成立した。フロン排出抑制法では、 新たにフロン類及びフロン類使用製品の製造段階における規制、業務用冷凍空 調機器の使用段階におけるフロン類の漏えい防止対策等を講じ、フロン類のラ イフサイクル全般にわたる抜本的な対策を推進するための措置が規定された。 また、産業構造審議会・中央環境審議会合同会合において、フロン排出抑制法 の詳細制度設計について議論が行われ、平成27年4月1日のフロン排出抑制 法の全面施行に向け、機器を使用するユーザーに対しても当該機器の使用に際 して取り組むべき措置として判断の基準となるべき事項を定められることと されており、ユーザーにおける機器の適正管理を促進し、また、機器の設置段 階における冷媒漏えいを生じさせない施工技術の向上を行うことがフロン排 出抑制法を効果的な制度とするために必要不可欠である。
 そのため、業務用冷凍空調機器からのフロン類の漏えい防止対策を講じるこ とにより機器の省エネルギーを実現し、事業者の意識向上を図り、省エネ及び フロン類の排出削減を実現するため、多種多様な業務用冷凍空調機器を使用する幅広い事業者が冷凍管理を行うために必要な適切かつ簡便な設備点検マニ ュアルの策定・周知及び冷媒漏えいを生じさせない適切な施工技術の向上のた めの技術および法令の周知等に関する事業を行う。

(2)事業内容

① 「簡易点検の手引き」の作成  フロン排出抑制法に基づくフロン類使用製品の所有者その他フロン類使用製 品の使用等を管理する責任を有する全事業者による業務用冷凍空調機器の簡易 点検に関する点検手法の定着を目的とした「簡易点検の手引き」を作成する。
② ユーザー説明会の実施  業務用冷凍空調機器を保有する全事業者を対象とし、これらの事業者が簡易点 検を着実に実施できるよう、上記①の手引き等を用いた説明会を実施する。
③ 冷凍空調機器の施工技術に係る「施工技術の手引き」の作成  個々の施工技術者が有する冷凍空調機器の適切な施工技術等(冷媒配管のフレ ア接続その他溶接技術等の漏洩防止のための重要なポイント等)について関係企 業及び学識有識者等へのヒアリング等(10件程度)を行い、一般の施工作業者 が陥りやすいミス及び注意点、施工業者が認識すべき有用な施工技術等について、 整理・分析を行い、写真やイラストを用いた、わかりやすい「施工技術マニュア ル」を作成する。
④ 冷凍空調機器の施工者に係る指導者研修  冷凍空調機器の施工業者のうち、当該機器の冷媒回路の構造や冷媒に関する知 識に精通した者を対象とし、当該機器に係る適切な施工管理に関する指導を行う ことができる専門人材(指導者)の研修を行う。

詳細は下記委託調査報告書をご覧ください