事業
補助事業
日設連では経済産業省の支援と公益財団法人JKAの機械工業振興補助金を得て補助事業を実施しております。
補助事業名「平成18年度 省エネルギー法対応パイロットモデル実証実験等補助事業」
1. 補助事業の概要
(1)事業の目的
平成17年2月よ り地球温暖化防止に関する京都議定書の発効を踏まえ、エネルギーの使用合理化に関する法律(以下「省エネ法」という)が平成17年8月改正されました。今般の改正により、熱と電気の一体管理・エネルギー管理指定工場・事業場数が拡大し、民生用大規模オフィスビル、ホテル、病院、百貨店等が新たに対象となり、省エネ対策の導入等が強化され、モントリオール議定書によりオゾン層保護の観点から特定フロンであるCFC全廃、HCFCの規制が始まり、2020年生産全廃予定であり、さらに、京都議定書により、温室効果ガスとして代替フロンが削減となり、オゾン層保護と地球温暖化防止の両立が必要とされ、ノンフロン化への転換がせまられています。このため、中小冷凍空調設備工業はその対応策として、オゾン層保護と地球温暖化防止という環境保全の観点からノンフロンシステム化や省エネ設備システム構築・検証し、省エネ法への対応ができるよう技術研修集会を開催するとともに、施主に対して冷凍空調設備の新システム提案や省エネ方法、設備診断による更新や新しい効率的な運用方法を提案する新しいビジネスに参入を目的とする。
(2)実施内容
18年4月改正省エネ法が施行されたのに伴い、改正省エネ法の解説、省エネ手法・診断技術、新エネルギー(太陽光発電システム・風力発電)、新システム(NH3/CO2低温システム・デシカント空調)等を系統的に編集し、テキストを作成し、全国主要都市 6ケ所で技術研修会を実施した。 尚、実施技術研修会開催内容は以下の通り。
技術研修会名 | 期日 | 場所 | 出席者 | テーマ | |
---|---|---|---|---|---|
「改正省エネルギー法・新エネルギー新システム」 技術研修会 |
09月26日 | 東京 | 40名 | 研修会共通テーマ |
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〃 | 10月10日 | 仙台 | 46名 | ||
〃 | 10月30日 | 大阪 | 74名 | ||
〃 | 11月20日 | 名古屋 | 43名 | ||
〃 | 11月29日 | 福岡 | 43名 | ||
〃 | 12月08日 | 広島 | 42名 |
本年度は、(1)ガス炊吸収式冷温水発生器による空調システムの改修 (2)インバーターを利用したクリーンルームの変風量方式 (3)AirPEXシステムによる恒温恒湿システムの省エネルギー化 (4)ノンフロン冷凍システム(アンモニア・二酸化炭素を使用)の実用性と省エネ性の検証 (5)太陽光発電システムの発電量、モジュールの温度上昇による損失の検証 (6)デシカント空調の省エネ検証等に関してのエネルギー消費動向を把握し、省エネ対策による省エネ効果を実測することを目標に事業を実施した。なお、実施場所は栃木・静岡・福岡・宮崎・宮城・大阪で行った。
尚、実施に当たり、特別委員会を下記の通り開催した。
特別委員会 | 期日 | 議題 |
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省エネルギー法対応パイロットモデル実証実験 補助事業第1回特別委員会 |
06月30日 |
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省エネルギー法対応パイロットモデル実証実験 補助事業第2回特別委員会 |
08月23日 |
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省エネルギー法対応パイロットモデル実証実験 補助事業第3回特別委員会 |
03月15日 |
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2. 予想される事業実施効果
マニュアル(テキスト)は、大幅に改正された省エネ法や新エネルギー・新システムについて、各々のスペシャリスト・専門会社の協力により、ほぼ期待どおりの内容で作成できた。
このテキストを使用して全国6ケ所で研修会を開催し、多くの会員に対して、最新の改正省エネ法、診断方法、新エネルギー・新システム等について習得することにより、新しいビジネス展開の一助となったことが期待できる。
実証事業者が特別委員専門家の指導により、設備及び熱源・ポンプ・空調機器等の電力使用量及び事務所室内の温度・湿度・風量・冷却水量等の計測、データ分析・解析方法を習得した。省エネ対策後のデータ分析等も同様に実施し、これらのノウハウが得られた。
以上のことから、今後施主及びオーナーに対し省エネ提案、設備の改修提案を説明可能にしたことは、今後のビジネスに結びつき、機械工業の振興へも寄与されると思われる。
3. 本事業より作成した印刷物
「省エネルギーとIT戦略」(改正省エネルギー法・新エネルギー・新システム) 650冊
「平成18年度省エネルギー法対応パイロットモデル実証実験等補助事業報告書」 500冊