ごあいさつ

國松 孝一

 平素は会員の皆様はじめ、関係各位の皆様には、本会の事業運営につきまして、多大なご支援ご協力を賜り、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
  さて、昨年度は、「新型コロナウイルス感染症」が5類に分類され、ほぼ通常に近い社会生活を送ることができました。一方で、ウクライナやパレスチナ問題もあり、さらに、円安も加わり、原材料費、資機材、食料価格の高騰など、経済活動の回復に水を差されました。
  日本経済の状況を見ますと、2024年1〜3月期の国内総生産(GDP)成長率2次速報値は、前期比マイナス0.6%、年率換算でマイナス2.6%と1次速報値より下方修正されることが見込まれるとしています 。
  また、冷凍空調機器の出荷状況を見ますと、主要製品でありますパッケージエアコンは前年度比で微減ではありますが、80万台を維持し、堅調に推移しており、業務用冷蔵庫はコロナ明けで飲食業、外食産業は再開されはじめ、前年度と比較して増加しました。徐々に経済活動が活性化されていることがわかります。
  さらに、速報値ではありますが、今年4月から5月にかけて実施しました「冷凍空調機器需要予測調査」では、最近の景況(DI)指数は、プラス16.1ポイントと、5年ぶりにプラスに転じました。
  令和6年度は、先の見えないウクライナ情勢やパレスチナ問題、円安等がどのように影響するか不透明な部分もありますが、空調は、省エネ・高効率機器への入れ換え需要が見込まれ、また、低温分野では、インバウンド効果もあり、外食産業が好調に推移すると見込まれ、需要は前年度並みではないかと見込まれています。
  さて、昨年度の当会事業は、フロン対策を中心とした地球環境対策、施工品質の向上や冷凍空調設備業界の社会的地位の向上について、各種資格取得講習会の開催や空調議連、国との連携を図り、積極的に事業展開をしてまいりました。
  また昨年度は、当業界において、石綿則改正により非常に大きな影響を及ぼすことになる、機器入れ替え等に伴う有資格者による石綿含有調査の義務化対策として、説明会を全国的に開催し周知に務めてまいりました。
  今年度は新たに、人手不足対策として、青年部会で「若手就職者確保のためのセミナー」を全国で開催することや、全国にある冷凍空調関連科のある技術専門校との連携強化を進めてまいります。
  また、フロン対策、施工技術の向上、業界の社会的地位の向上、残業時間規制、石綿対策など、多くの課題を抱えていますが、これら課題解決のために、着実に歩みを進めてまいりたいと思います。
  日設連としましても、引き続きこれらの問題に取り組むと共に、社会的責務をしっかりと果たし、業界の地位向上を目指し、会員の皆様の負託に応えられますよう、今年度も積極的に事業を展開してまいりますので、皆様方には一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
  最後になりましたが、これからの一年が皆様にとって、公私ともにすばらしい一年でありますことを祈念いたしまして、簡単ではありますが私の挨拶とさせていただきます。
 本日は、誠にありがとうございます。

  令和6年6月14日                                一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会
                                                会 長 國 松  孝 一